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聴診器の話

10月11日土曜日。今日は世間では3連休初日。クリニックは午前中は混雑していましたが、午後は患者さんは少なめ。連休の土曜の午後はいつも比較的空いています。

今日ある患者さんに「聴診器で何を聞いているんですか?」と聞かれました。時々この質問を受けますが、短時間では説明しきれないほどの情報を1本の聴診器で得ているのです。心臓は一定のリズムで筋肉が収縮するとともに4つの弁が開閉してポンプの機能を果たしていますが、機能に異常が起これば発せられる「音」に異常が生じます。正常で聞かれる心音が変化する場合や、通常聞かれない心音、心雑音が聞かれる場合もあります。もちろん心臓以外にも呼吸音、血管雑音、腸蠕動運動などなど、体内から発する「音」のチェックに欠かせない道具なのです。

循環器内科医として既に20年以上を過ごして来ました。診断法や治療法はその間に大きく変貌しましたが、聴診器の診断器具としての重要性は今も昔も変わりません。循環器内科医の存在価値のひとつは「耳」だと思っています。研修医の頃の恩師の教授は、病棟回診の際に突然患者さんの胸の一点に指を置き、研修医を呼び寄せました。「ここを聴診してみなさい」という意味です。けれども未熟な研修医の分際では「聞こえない」こともしばしば。そこで一言「耳が悪いのではない、耳と耳の間(注:つまり脳みそ!)が悪いのだ」と・・・。でも訓練で次第に聞き分けられるようになるのです。

聴診器も少しずつ進歩して来ました。右端は旧いタイプで、高音域を聞く膜型(下部)と低音域を聞くベル型(上部)を回転させて使い分けるタイプです。左端は比較的新しいタイプで、胸壁に圧着する強さで低音域も高音域も聞けるタイプです。

長さや太さにも違いがあります。一般に使われているタイプは写真上、循環器用は写真下です。循環器用はチューブの部分が短くて太いのです。その方が、細かい音の違いが聞き分け易いのです。短ければ短いほど音は良く聞こえるでしょうが、聴診時にあんまり患者さんの胸壁に密着するのもどうかと・・・。

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